|
企業の業績不振により、役員の給与の一部を未払いとするケースがみられるが、そこで問題となるのが所得税の源泉徴収の時期だ。
そもそも所得税の源泉徴収制度は、“実際に支払いが行われた給与等”に対する税額を、支払いが行われた月の翌月10日までに納付しなければならない仕組みとなっている(所法183@)。したがって、給与について未払いが生じている場合は、実際に支払われた時まで源泉税額の納付義務は生じないこととなるのだ。
例えば、本来100万円支払うべきところ80万円のみ支払い、残り20万円を未払いとしている場合、源泉徴収税額は、まず未払部分を含めた総額(100万円)に対する税額を算出し、その所得税額に未払給与を含めた金額のうち実際に支払った給与(80万円)の占める割合(80/100)を乗じて算出することとなる。
一方、役員の“未払賞与”については、支払の確定した日から1年を経過した日まで支払がない場合には、その1年を経過した日に支払があったものとみなして、未払賞与についての源泉徴収をしなければならないこととされている(所法183A)。
未払賞与に対する源泉税は、支払があったとみなされる日の前月の給与の額を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて算定した税率を、未払賞与の金額に乗じて算出するとともに、支払いがあったとされる月の翌月10日までに税額を納付しなければならないので、くれぐれも失念には注意したいところだ。
ちなみに、年末調整の段階で未払給与がある場合、その支払いが翌年に繰越される場合であっても、支払が確定しているものは全て年末調整を行う給与に含めなければならない。したがって、未払給与等の金額を「年間の給与等の支払金額の総額」や「年間所得税額の総額」に含めて年末調整を行うことになるので、こちらも注意が必要だ。
税務通信平成20年10月27日号より
コラム一覧はこちらへ
|