|
税法上の「繰延資産」とは、法人が支出する費用のうち、支出の効果が支出日以後1年以上に及ぶものと定義されており(法法2二十四)、その具体的な範囲として、従前は、創業費、開業費、試験研究費、開発費、新株発行費、社債発行費等が政令で規定されていた(旧法令14)。しかし、平成19年度税制改正に伴って、試験研究費については、税法上の繰延資産の範囲から除かれた。
これは、会社法の制定に伴って、会計上の取扱いが整理されたことに対応したもの。旧商法施行規則では、商法上の繰延資産の一つとして試験研究費が規定されていたが、昨年5月1日に施行された会社計算規則では、会社法上の繰延資産の範囲は「繰延資産として計上することが適当であると認められるもの」(会計規106B五)としか規定されておらず、具体的な内容は明確化されなかった。
これを受け、企業会計基準委員会(ASBJ)は、『繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い』を昨年8月に公表し、そのなかで、創業費、開業費、開発費、株式交付費、社債発行費等(新株予約権の発行に係る費用を含む)を繰延資産として取り扱うこととし、試験研究費はその対象から除かれた。これは、試験研究費が、『研究開発費等に係る会計基準』の研究開発に含まれるものとされ、会計上は即時費用(発生時の費用)として処理しなければならないものと既に整理されていることによるもの。
このように、会計上の取扱いが整理されたことに対応する形で、平成19年度税制改正では、税法上の繰延資産の範囲から試験研究費が除かれ、従前のように任意償却が認められることはなくなった。これを受けて税法上も、今後、試験研究費は、『研究開発費等に係る会計基準』の研究開発に含まれ即時償却することになる。また、税法上は、事業年度ベースではなく、平成19年4月1日以後に“支出”する試験研究費から即時償却することとなるので留意されたい(19年改正法令附則7)。
税務通信平成19年4月16日号より
コラム一覧はこちらへ
|