平成12年度主な税制改正
T、法人税の改正
1、 情報通信機器の即時償却制度の延長
青色申告法人(青色個人事業者も同様)が取得価額100万円未満の特定の情報通信機器等を取得した場合に、取得価額の全額の損金算入を認める即時償却制度が平成13年3月31日まで1年間延長されました。
2、 ソフトウエアの資産区分・耐用年数の改正
ソフトウエアの資産区分が減価償却資産(無形固定資産)に、耐用年数が複写して販売するための原本ソフトは3年、その他は5年に改正されました。平成12年4月1日以後取得分より適用。
3、 時価法の導入による有価証券の評価方法の変更
平成12年4月1日以後開始事業年度より、法人税では、有価証券を@売買目的の有価証券、A満期保有目的の有価証券、Bそれ以外の有価証券に分類し、評価方法について規定の整備を行いました。このうち@の売買目的有価証券については、時価により事業年度末の評価を行うことになりました。
4、 中小法人の貸倒引当金の割増特例制度の廃止
資本金1億円以下の中小法人については、事業年度の一括評価の貸倒引当金について、繰入限度額の16%相当額の割増が認められていましたが、平成12年4月1日以後開始事業年度から廃止されます。
5、 個別評価に係る貸倒引当金の適用対象範囲の拡大
貸倒引当金の繰入限度額の計算上、個別評価による繰入の対象となる事由に、民事再生法の規定による再生計画認可の決定が加えられました。この改正は、平成12年4月1日以後終了事業年度から適用されます。
6、 同族会社の留保金課税の特例の創設
設立後10年以内の新事業創出促進法の中小企業者、又は同法の認定事業者(いわゆるベンチャー企業)は、同族会社の留保金課税を適用しないこととされました。この特例は、平成14年3月31日以前開始事業年度までの措置として設けられています。
7、 設立後5年以内の中小企業の欠損金の繰戻し還付の延長
欠損金の繰戻し還付の不適用措置の例外として、中小企業者の設立後5年間に生じた欠損金額及び中小企業経営革新支援法の経営革新事業者の欠損金額に係る繰戻し還付がありますが、この繰戻し還付の適用期限が2年延長され、平成14年3月31日終了事業年度までとなりました。
U、所得税の改正
1、 青色申告特別控除額の引上げ
青色申告特別控除額が55万円に引上げられました。ただし、簡易な簿記の方法によって経過措置の適用を受ける者の控除額は、45万円のままです。この改正は平成12年分以後の所得税から適用されます。
2、 年少扶養親族の特例の廃止
年齢16歳未満の扶養親族に係る扶養控除の額の割増(10万円加算)特例が廃止されました。この改正は平成12年分以後の所得税から適用されます。
3、 住宅ローン税額控除制度の延長
住宅ローン年末残高5000万円以下の部分について15年間にわたって一定額が税額控除(最大で合計587.5万円が控除)される住宅ローン税額控除制度の期限が延長され、平成13年6月30日居住分まで適用されることになりました。
4、 特定中小会社の株式譲渡益に対する課税特例の創設
ベンチャー企業株式を取得した一定の個人が、現行の創業者利益の特例を併用した場合、譲渡所得等の金額を4分の1に軽減する措置が講じられました。平成12年4月1日から平成17年3月31日の間に取得した特定株式に適用されます。
V、相続税・贈与税の改正
1、 海外財産の相続税回避への規制
日本国内に住所を有しない一定の相続人等が取得する国外の相続財産等が新たに相続税・贈与税の課税対象とされました。この改正は、平成12年4月1日以後の相続等に適用されます。
2、 取引相場のない株式の評価方法の適正化
類似業種比準方式による評価方法について、利益金額にウエイトをおいた方法にするとともに、上場会社との比較をすることに伴う斟酌率(圧縮率)の見直し等を行いました。この改正は、平成12年1月1日以後の相続又は贈与について適用されます。
3、 相続税の延納の利子税率の引下げ
相続税の延納の適用を受ける場合の利子税率が平成12年4月1日以後の期間分に
ついて、一層引き下げられました。