|
「株式購入」によるM&Aで発生したデューデリジェンス費用 (デューデリ費用)等の税務上の取扱いは、税務調査等において国税当局との間で見解が相違するケースの多い論点の一つだ。M&Aの手法のうち、「合併」と「事業譲渡」の際に発生したデューデリ費用等については、原則、一時の損金として処理することができる。
「合併(吸収合併)」について、合併法人が被合併法人から移転を受ける減価償却資産の取得価額は、その合併が適格合併又は非適格合併のいずれに該当する場合においても、“その資産を事業の用に供するために直接要した費用の額”などの合計額とされている(法令54@五、六)。合併の際に発生したデューデリ費用等は、一般的に、被合併法人の事業内容の把握などを内容とする業務委託に要する費用であり、合併により移転を受ける個々の減価償却資産を事業の用に供するために直接要した費用には該当しないと考えられることから、原則、移転を受ける減価償却資産の取得価額には含まれない (国税庁HP:質疑応答事例「合併に伴うデューディリジェンス費用の取扱い」)。
また、事業の一部又は全部を他の企業に譲渡するM&Aの手法の一つである「事業譲渡」の際に発生したデューデリ費用等についても、事業譲渡により譲り受ける資産(事業を構成する個々の資産)との関連性を見いだすことが一般的には困難という。そのため、原則、譲り受ける資産の取得価額には含めず、発生時に一時の損金として処理することができるようだ。
なお、先般、東京地裁で「株式購入」によるM&Aで発生したデューデリ費用等の「有価証券の購入のために要した費用」該当性に関する初の司法判断が下され、現在、国が東京高裁に控訴している (No3889等)。
税務通信令和8年4月13日号より
コラム一覧はこちらへ
|